絵本『つなげ ビニーのゆめ』

 絵本『つなげ ビニーのゆめ』にはいくつかのメッセージを込めました。幼い子どもたちに伝えたかったことは大きく分けて二つです。一つ目は、海洋ゴミでたくさんの海洋生物が苦しんでいるかもしれないということ。二つ目は、その加害者とされてしまうプラスチックは、本当は悪者ではない優しい心を持っているかもしれないということです。世界中の子どもたちがそれをこのストーリーから心で感じ取ってくれれば、50年後、100年後に、何かほんの少しでも「温かい何か」が繋がるのではないかと思いました。

 子ども以外に伝えたかったことは、人間の不誠実性についてです。人間はたかがいち生物にすぎませんが、想像をする力に長けています。しかし、それを人間中心の想像に留めてきたのが近代の本質でした。これからの時代を創っていく中で「環世界(それぞれの生物の感じる世界)」に思いを馳せることは非常に重要だと考えています。主人公をビニール袋にすることで、無生物にも魂を宿すアニミズム的な温もりを入れ込みました。なぜかビニール袋はとてつもなく悲しむことになるのです。それでもビニール袋は強く生きるのです。人間の薄情さをひしひしと感じるようなそんな作品に仕上げたつもりです。

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